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お気楽主婦はるひがつれづれに書く映画レヴューや書評です。
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「キューティーハニー」は『デートムービー』たりえるか。



「キューティーハニー」2004年/ワーナーブラザーズ配給

 これまでメディアに登場した「キューティーハニー」は4つある。永井豪の原作漫画、1973年に放映されたTVアニメ版「キューティーハニー」【amazon】、1994年にリリースされたOAV版「新キューティーハニー」【amazon】、1997年に放映されたTVアニメ版「キューティーハニーF」【amazon】……そして今回、「新世紀エヴァンゲリオン」の庵野秀明監督が、佐藤江梨子をハニーに据えて映画化してしまった。庵野監督は「日経キャラクターズ」のインタビューで、「『ハニー』はデートムービーになる確率は高くしてあります。女性向けと言ってもよいくらいで」と女性からの視点を重視してつくったと云っていた。脚本に「ショムニ」シリーズを手がけた高橋留美を起用したのも、奥様である安野モヨコをキャラクターデザイナーのひとりとして加えたのも、オンナノコに受けがよければオトコ客も引っ張れるという目算があってのことだろう。
 だが、オンナンコ受けするためには、露骨にえっちな描写はできない。「清潔なお色気」でなければならない。サトエリをハニー役に持ってきたのも、ハニーの七変化に耐えられるスタイルの持ち主でありかつ「清潔なお色気」を表現させようという魂胆だとは思うけれども、果たしてサトエリ@ハニーは正解だったのか。

 映画の冒頭、火急の用事で変身を余儀なくされたハニー、エネルギー切れで変身できず「ヤッバー! エネルギー足んないじゃん!」と叫ぶなり、ブラとパンティの上からゴミ袋をかぶってコンビニへ疾走する。あまりのハイテンションに劇場内の空気が寒々となった。「ヤッバー! 客が皆退いてるじゃん!」と、観ているこちとらが叫びたくなる。このままこの寒々とした空気を払拭できずに話が進んで行ったらほんまにヤバい最後まで耐えられるのだろうか、と先行き不安な予感にさいなまれたが、シーンが変わって海ホタルに現れたゴールドクロー@片桐はいりのゴージャスでマッチョで漢前で大上段にかまえた演技と、パンサークローの戦闘員たちの大仰な動きを観たら、素で笑ってしまった。
 この映画で描かれる如月ハニー像(デフォルトハニー)は、「コンビニおにぎり等コンビニ食やファストフードを主食とする生活感のない、おしゃれでかわいいけど、ちょっとオツムのゆるいオンナノコ」である。原作や旧アニメ版に観られたような、美人で恰好良く、オンナノコたちに「オネエさま」と慕われるような、百合でタチなキャラではない。そんなオツムがゆるくて、トモダチもできずにいつも孤独を味わっているオンナノコが、「空中元素固定装置」ならぬ「Iシステム」を使って戦闘モードの「キューティーハニー」に変身すると、ミサイルを受けてもへっちゃらな強いオンナになれる、好きな人たちのために頑として闘う……このあたりに、オンナノコたちは感情移入してほしい、と狙っているのだろうか。それにしてもだ、サトエリ演じるハニーはサトエリそのものだ。計算してオツムのゆるいオンナノコを演じているのではなく、あれはまちがいなく素だ、天然だ。ということは、この映画はサトエリのプロモビデオと云ってしまってもいいかもしれない……って、ダメじゃん! そんなの!!
 ちなみに、ハニーは「Iシステム」を使って着替えをしているようで、エネルギーが切れて「Iシステム」が作動しなくなると、白いブラとパンティだけしか着けなくなる。しかし、理屈的にも永井豪的にも真っ裸でないと合わないのだが、映倫的にも「清潔なお色気」的にもこれがいっぱいいっぱいなんだろうなあ。

 で、ハニーの敵である「パンサークロー」の面々は、とにかくインパクト勝負である。サトエリハニーのお寒いハイテンションを補い、素で笑わせてくれたのも「パンサークロー」の四天王たちのキャラ立ち具合である。まず、メイクがすごすぎて役者の素顔がわからない。コバルトクロー@ココリコ田中嫁とスカーレットクロー@新谷真弓の顔を勉強不足な私は存じ上げなかったのだが、ココリコ田中嫁はOLハニーをいびる先輩OL役の二役だったため、どんな顔なのかはわかるが、新谷真弓はまるでわからない。いっしょに観に行った世帯主が「この子、工藤静香?」などとマジでボケていたが……云われてみれば似ているかも。
 そして、真打ちは及川光博ミッチー@ブラッククローだ。白黒で塗り分けられた顔は「マジンガーZ」のあしゅら男爵へのオマージュなのだろうか、とデザインした出渕裕に訊いてみたいなと思ったが、持っている杖のデザインは、あしゅら男爵の「バードスの杖」にマイクを付けてみたものらしい。なぜマイクなんだ出渕サン!と叫びそうになり、いや待てよミッチーだからじゃん!と思い直す私。ミッチーファンは思いかげないワンマンショーが拝めてお得かも。
 シスター・ジル@篠井英介は……紅白の小林幸子かはたまた美川憲一かってところかな。なぜパンサークローの首領がパンサー・ゾラじゃなくてシスター・ジルなのかは不明。パンサー・ゾラが率いるからパンサークローなんじゃないのかという疑問が湧くけれども……まあ、どうでもいいか。

 映画全体のトーンをハニーのファッションに合わせてビビッドでお軽い感じにするためなのか、「ハニメーション」と銘打ったアニメと実写のコラボは実にチープでキッチュな仕上がり。わざとチープにするのと予算がないからケチったと思われてしまうことの差は実に微妙である。私はアニメのいかにもつくりものという感じを出したかったんだろうと好意的に解釈しているが、安っぽいと切って捨てようと思えばできるかなという、ほんまに微妙な出来だ。「CASSHERN」のときにも思ったが、最近のCGを使ったアクションシーンは、なぜ引きで見せることをしないんだろう。流行り? アップが多様されているうえにカット割りがやたら多くて速いので、何をやっているのか追うのがしんどいつらい。「CASSHERN」のサグレーとキャシャーンの戦闘シーンは、マジでカット割りが多くて画面処理も懲りすぎてたからもう何が起こったのかさっぱりわからない(サグレー役の佐田真由美のヴィジュアルだけはよかった。あの子の顔は好みの顔だ)。私のような四十路近いオバサンにはあまりに酷な映像表現だ。もっとオバサンにもCGプログラマにもやさしいやり方にしてほしい。

 映画のみどころといえば……やっぱり東京タワーかな。アンノちゃんは、東京タワーには並々ならぬこだわりがあるようで、トップランナーに出演したときに「今の東京タワーはダメすぎる。建った当初と比べて塗り替えられたあとは色のバランスが悪すぎる」と鼻息荒く主張していたが……東京タワーがどんな目に遭わされているか、確かめるのも一興かと。一興といえば、業界関係者が多数いろいろな場面で出演しているのを見つけるのもまた一興。そして、もしかしたら映画中一番オイシイ役かもしれない京本政樹@宇津木教授にも注目していただきたい。

 総評としては、たしかに笑えるし楽しめる。観て損じゃないけど映画館まで行って観ろとはお薦めできない。ましてやデートムービーたりえるかと云えば……く、苦しい。
| つれづれ映画鑑み。 | 20:35 | comments(2) | trackbacks(6) |
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>「マジンガーZ」のあしゅら男爵へのオマージュ
全然気づかなかったけど、言われてみるとその通りぢゃ!
ちなみにあの歌は反則とも思えたけど、かなり好みです。
| 銀太郎 | 2004/06/22 2:34 PM |

コメントありがとう存じます。
ブラッククローのテーマを聴きたいがためにサントラ買いましたよ私(笑)。でも、結局1番しかつくってないんですよ! なにが2番は省略だよ。騙された〜!(笑)
| はるひ | 2004/06/23 1:09 AM |










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キューティーハニーの予告編集(アニメ)
サトエリ主演で話題になっているキューティーハニーですが、 アニメのほうのキューティーハニーの予告編が アーカイブされています。 映画を見る前に原作の雰囲気を感じてみたい人はどうぞ。 予告編はこちらからどうぞ BIGLOBEストリーム キューティーハニー 有料です
| ◆BBNews◆ゲーム、映画、アニメ、音楽、CM、テレビ番組紹介 | 2004/06/01 10:10 PM |
キューティーハニー
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| 30歳独身男Kazuakiの映画日記 | 2004/06/01 11:51 PM |
「キューティーハニー」でXserve
庵野秀明の「キューティーハニー」を観た。すごくつまらなかった。びっくりした。丹波哲朗の「大霊界」みたく、わざわざ死んでみなくても人間はおどろくことができるんだ、ということをあらためて発見した。大発見。 押井守の「イノセンス」もひどいもんだったけど、あ
| A → Z : Xserve | 2004/06/03 1:50 PM |
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| 【 ぷふん… 】 | 2004/06/03 4:46 PM |
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「新世紀エヴァンゲリオン」の庵野監督が、永井豪原作の美少女アクションアニメを佐藤江梨子主演で実写化。 亡き父の残した“Iシステム”を狙う秘密結社・パンサークローに、キューティーハニーが仲間と共に立ち向かう。 普段は明るいだけが取り得のドジな派遣OL如月
| BLOG DVD | 2004/12/03 8:44 PM |
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これは観出したら最後まで観てしまうほどおもしろいです。「ガンダムSEED」の福田監督節が炸裂してます。
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